ガチャッ…


「…若…」


「アキ…さっきは悪かった」


リビングに入ると皆がご飯を食べていた。
でも、その中で一人だけ扉の前で座っている人がいた。

それが、アキさん。

アキさんは雄大さんを見るなり頭を下げた。


「若…謝るのは俺です。
若の気持ちを無視して、組を優先しました。
本当に申し訳ありませんでした。」


「…雄大さん…」


私たちの目の前で頭を下げ続けるアキさんを見て、雄大さんが言った。


「アキ、お前は何も悪くない。
親父に言われたんだろ?俺に言うなって。
俺が間違ってたんだ。
親父を避けては生きていけない。
いつかは会わなければならなかったんだ。
だからアキ…頭を上げろ」


「若…」


「この話しは終わりだ。
俺も彼方も何にも食べてないからな。
アキも…早く飯の準備をしろ」


「…はい!」


やっぱり、この二人の間には切っても切れないものがあるんだな。

私も…雄大さんとそんな関係になりたい。

「彼方、座ろう」


「はい…ちょっと待ってください」


その時、携帯にメールがきた。


「どうした?」


「いや…クラスの子からです。
ちょっと電話してきます」