「雄大さん…部屋に行きませんか?」


私の問いかけに雄大さんは何も言わずに歩き出した。


その足どりは…いつもとは違う、ふらついたものだった。




「彼方さん…」


後ろからアキさんの声が聞こえた。



「アキさん…大丈夫ですよ。雄大さんは…きっと乗り越えますから」



雄大さんにとっても、阪本組にとっても…親子の問題は大きかった。














バタン…


部屋に入ると雄大さんが私に抱きついてきた。


でもその力は弱い。




「雄大さん?」


「彼方…俺…どうしたらいい?」