「「…………………」」


雄大さんのお父さんが出て行った後、沈黙が私達を包んだ。




「若…」


リビングからアキさんが出てきた。


アキさんを見て、雄大がゆっくりと話し出した。





「アキ…何で言わなかった?」


弱々しい声だった。


「若…すみません」


「何で…知ってるだろ?俺は親父が…」


「分かってます…でも!」


「でも…なんだ」


「若…あなたは極道です。阪本組の次期組長として、避けられないことです」



こんなに一生懸命話すアキさんを初めて見た。


そして…こんなに弱い雄大も…初めてだった。