「お前が言ってるのは母親のことか?」


「…そうだよ…だからなん…」


「小さい男だ!」


「えっ…」


私は目の前にいる人を見た。

どうして…笑ってるの?
雄大さんが…こんなに苦しんでるのに…



「いいか?俺もお前もヤクザだ。

人が一人くらい死のうが関係ない。
一番大切なのは自分の命だ。


そんなことも分からん馬鹿だとはな…」


「…るせぇ!」


「感情を表に出してどうする?

今ここで俺を殺すか?」


「…………………」


「何も言うことがないか?あ?

俺がお前の母親を殺したんだぞ?

おい!その程度か…」


プチッ



パンッ!





「彼方…」




私は気がついたら目の前の人に平手打ちしていた。