「…親父…」
雄大さんのお父さんだった。
初めて見た印象は…
すごく雄大さんに似ていた。
でも…私は感じた。
この人には…
雄大さんのような優しい雰囲気も、温かい雰囲気も…ない。
この人の表情から読みとれるのは…闇。
まるで、世界を否定するような…
「なん…で…」
雄大さんの身体が小刻みに震えている。
「何で?ここが俺の家だからだ」
ギュッと繋いでいる手に力をいれる。
「よく…よく俺の前に顔出せたな!
お前のせいで…俺は…」
ギュッ…雄大さんの手にも力が入った。
そして…目からは涙が流れていた。
雄大さんがお父さんを恨んでいることは知ってる。
でも…今目の前にいる人は、微かに笑っている。

