…ここ…どこ?
必死に走り続けてついた先は…
「海…?」
人生初の海だった。
嬉しいはずなのに…涙しか出てこなかった。
雄大さんを信用し過ぎてたかな?
「…雄大さん…」
ブーッブーッブーブー
さっきから携帯がずっと鳴ってる。
きっと雄大さんから。
…無視したい…けど…
声を聞きたい…
そんな思いが交差したけど…弱い私は電話に出た。
「…はい…」
「彼方!彼方!どこにいる!」
息がきれてるから、きっと私を探してた…
うぬぼれすぎかな?
「阪本さん…」
「……から…」
「えっ…?」
「頼むから…阪本さんなんて呼ぶな…」
切ない声に私まで切なくなる。
「無理ですね。だって…もう…さよならですからね…」
「彼方…さっきのは…」
「阪本さんの彼女さんですか?
凄く綺麗でしたからね!お幸せに…」
「お前…本気で…」
「私が…うぬぼれてたんです。」