「雄大さん…大丈夫ですよ…」
「…今…俺が一番失いたくないのは…
彼方なんだ…
彼方が俺の全てなんだ…
親父に…また大切なものを奪われそうで…
怖いんだ…」
涙を流し続ける雄大さんを私は黙って抱きしめた。
「私は…絶対に貴方の前からいなくなりません。
お母さんに捨てられた私にとっても…貴方が…全てなんです。
それに…雄大さん、言ったじゃないですか…
私を…守ってくれるって…」
「…彼方…」
「そうですよね?
私は…貴方を信じてます」
顔を上げて雄大さんの顔を見ると…すごく優しい笑顔があった。
「ありがとう…彼方」
「雄大さんが私を守ってくれるなら…
私も…雄大さんを守りますから」

