闇の王子様




プチップチッ…


「彼方…!」


私はベッドから立ち上がり、ブラウスのボタンを外し始めた。


止めさせようとする雄大さんの手を払った。


パサッ…




制服を脱ぎ、下着だけになり雄大さんを見た。


「私を抱いて悩みがなくなるなら、いいですよ」


「彼方…」


「私は…貴方の笑顔が見たいんです。
そのためなら…」


雄大さんの手をとり、目を見た。


「私を抱いてください」




「違うんだ…彼方…」

「雄大さん…?」


「親父が…」


「親父?」


「俺の親父が…」


「雄大さん…話してください」


「親父が…帰ってくる」

………お父さんが…?

「それが嫌なんですか?」


お父さんが帰ってくるなんて、そんなに嬉しいことはないと思うけど…