闇の王子様




「何で…やっ!」


雄大さんが私の制服のボタンを外して、中に手をいれてきた。


「雄大さん!いゃ…」

「…彼方…」


やっと雄大さんの目がもとに戻った。


「…悪い…」


「雄大さん…いや…」

差し出された手を私は掴まなかった。


そして…一歩ずつ雄大さんから離れた。


「彼方…」


瞬間、雄大さんが悲しい笑みを浮かべた。


「ゆう…た…さん」


「悪かった」


「どうしたんですか…?私は雄大さんの力になれませんか?」


「…………………」


沈黙が私達を包んだ。

「雄大さんの悩みは…私を抱いたら解決しますか?」


何も言わない雄大さんと目を合わせた。


私は呼吸を大きくして、意を決した。