生まれた愛






いつも素直に言ってくれる結衣だったから




また結衣から言ってくれるのを待っていたのかもしれない






それじゃダメだ




もっと俺は強くならなきゃダメだった






だから俺は結衣に素直な気持ちを伝えた





「結衣が好きだから付き合いたい」







結衣は首ではなく体をこちらを向けた



そのまま俺を抱きしめた





「うん、あたしも大好き」







少し声が震えてるような気がした




けど結衣が答えたくれたから





俺も結衣を抱きしめる




「ありがと」




また結衣は俺の肩にあごを乗せていた




「結衣?」





「………」




結衣は鼻をすする音を立てた





……泣いてんのか?




俺はまた離そうとすると




嫌がるようにしがみついた



「なんで泣いてんの?」





「だって……やっと好きって言ってくれたんだもん……」




俺はまた弱い結衣を見てしまった




こんな姿を見せられたら



俺は結衣を守りたい






そう思えるほど大事な存在になれる