生まれた愛






座りながら色んな話をした



「そういえばさ
なんで結衣の家って親いないの?」




聞いちゃまずいかと思ったが



結衣の性格上何も隠さないだろうと思い聞いてみた




「あたしも物心つく前にはもういなかったから何とも言えないけど
何か最初からいなかったしもうどうでもいいかなって」




「あぁそうなんだ」



「うん、まあおじさん達が今は良くしてくれてるし
全然苦はないから大丈夫だよ」



「ふーーんそっかー」



「波のプールってやっぱすごいのかな?」


「そりゃまあ巨大だろ」



「いいねぇーー!いこー!」






波のプールにも行った



ウォータースライダーもかなり並んだけど待つ時間も全然暇じゃなかった




いっぱい話したしじゃれ合ったり



本当に楽しかった



こんなにも心を許せる人は居ないと思う



今なら




今素直になれたら





このまま結衣とずっと一緒にいたい





なんて思ったりした





「結衣」


「ん?」


「手繋いで歩くか?」


「なぁにぃーー!!いつになく素直素直じゃーん!
かわいいいいーー!」



「うん、たまにはね」



「あたしね、手繋ぐより腕組んで歩く方が好きなの
さみしがり屋だから離したくないって意味でね?」




結衣は俺の腕を組む



「かまってちゃんのめんどくさい女の子だよあたし」


「いいんじゃん?結衣はそうしてた方が可愛いよ」


「もおーー!!ばかー!
キュンキュンするじゃーん!
惚れてまうやろーー!!」


「うん、声のボリューム抑えようか」



こんなに心が弾むのは初めてだ




嬉しい、楽しい、面白い、幸せ




人を大切にしたいって思える



幸せにしたいって思える




そんな俺の気持ちがどんどん大きくなる




あぁもう俺も認めよう





素直な自分の気持ちを









結衣と一緒に居たい






結衣が好きだ