「お土産……ですか?」
「そうだなぁ……。お土産兼バレンタインのプレゼント?」
「え?」
 頭の中に次々とクエスチョンマークが浮上する。
「バレンタインは女の子からプレゼントするものじゃないんですか?」
 私の手元には家族の分と秋斗さん栞さん、昇さんへのプレゼントが残っている。
「それは日本の、チョコレート会社の商売戦術」
「……海外は違うんですか?」
「そうだね。男女関係なく、より親しい人にプレゼントを渡す風習が色濃いかな? だから、翠葉ちゃんにプレゼント」
「私も秋斗さんにプレゼントがあって――」
「はいはいはいはいっ。いったんそこまでっ。みんな待ってるんだからご飯にするよっ」
 唯兄に言われて振り返ると、ソファセットに栞さんと家族が揃っていた。