「蒼兄のお部屋よりもきれい……」
「私、司が小学校に上がってから一度もこの部屋を掃除したことがないのよ」
「えっ!?」
「低学年の頃は楓や湊が手伝ってあげることもあったけれど、それも二年生までね。そこからは全部自分で片付けるようになったわ」
 すごい……。
「その手提げ袋、デスクの上に置いておいたら必ず見ると思うの」
 私は四角さが強調されるデスクの上に、またしても四角い手提げ袋をちょこんと置いた。
「メッセージカード、書く?」
「あ、いえ……カードは中に入れてあるので」
「なら完璧ね」
 真白さんはにこりと笑って、
「リビングへ戻りましょう」