「今日、バレンタインでしょう? だからね、お菓子を焼いてきたの」
「はい」と、クラスのみんなにプレゼントしたものと全く同じ包みをツカサの前に差し出す。と、ツカサは包みをじっと見たまま数秒間静止した。
「……俺に?」
「うん。フロランタンとコーヒークランブルケーキ。口に合うかはわからないけど……」
ツカサは両手で受け取り、少し何かを考えているふう。
この場で開けてくれるかな? 食べてくれるかな?
ほのかな期待をしたけれど、そこはツカサ。
「コーヒー飲みながら食べたいから家に帰ってから食べる」
ツカサは包みをお弁当箱の脇に置き、昼食を再開させた。
私もそれ以上は何も言わずにお弁当を食べる。一生懸命念を送りながら。
ツカサ……みんなにあげたものと内容は変わらないの。でもね、そのクッキーだけはちゃんと全部手作りなんだよ。それだけは、オーブン以外は機械の力を使わずに、木ベラと泡だて器を使って私が作ったんだよ。
「はい」と、クラスのみんなにプレゼントしたものと全く同じ包みをツカサの前に差し出す。と、ツカサは包みをじっと見たまま数秒間静止した。
「……俺に?」
「うん。フロランタンとコーヒークランブルケーキ。口に合うかはわからないけど……」
ツカサは両手で受け取り、少し何かを考えているふう。
この場で開けてくれるかな? 食べてくれるかな?
ほのかな期待をしたけれど、そこはツカサ。
「コーヒー飲みながら食べたいから家に帰ってから食べる」
ツカサは包みをお弁当箱の脇に置き、昼食を再開させた。
私もそれ以上は何も言わずにお弁当を食べる。一生懸命念を送りながら。
ツカサ……みんなにあげたものと内容は変わらないの。でもね、そのクッキーだけはちゃんと全部手作りなんだよ。それだけは、オーブン以外は機械の力を使わずに、木ベラと泡だて器を使って私が作ったんだよ。


