けれども、私はとんでもない見落としをしていた。川岸先生が教室に入ってくるまで川岸先生の存在をすっかり忘れていたのだ。
……先生ごめんなさい、と思いつつ、朝のホームルームでは先生を正視することができなかった。
「翠葉、司には?」
四限が終わったところで海斗くんに訊かれる。
「渡す予定なんだけど……。今日もここに来ると思う?」
「……どうだろうな。今までの感じだと教室から出ないパターンが濃厚だけど」
「だよね……」
机の上に用意した五つの包みをどうしようかと思う。
ひとつはサザナミくんに。あとは朝陽先輩、優太先輩、嵐子先輩、ツカサの分。
海斗くんはそれらをじっと見て、
「翠葉……まさか、俺らに渡したのと一緒?」
「え? 何が?」
「だから、司に渡すチョコっ」
「……うん、一緒だけど……?」
……先生ごめんなさい、と思いつつ、朝のホームルームでは先生を正視することができなかった。
「翠葉、司には?」
四限が終わったところで海斗くんに訊かれる。
「渡す予定なんだけど……。今日もここに来ると思う?」
「……どうだろうな。今までの感じだと教室から出ないパターンが濃厚だけど」
「だよね……」
机の上に用意した五つの包みをどうしようかと思う。
ひとつはサザナミくんに。あとは朝陽先輩、優太先輩、嵐子先輩、ツカサの分。
海斗くんはそれらをじっと見て、
「翠葉……まさか、俺らに渡したのと一緒?」
「え? 何が?」
「だから、司に渡すチョコっ」
「……うん、一緒だけど……?」


