「いえ……ありがたくいただきます。皆、喜びます」
「良かった……」
「そちらのお荷物もお菓子でいらっしゃいますか?」
「はい。クラスメイトや生徒会メンバー、それと病院の先生たちと静さんたちにも」
 藤守さんは少し驚いたようだったけれども、表情をすぐに改め、目尻を下げてにこりと笑った。
「今日は学校までお送りいたしましょう」
「えっ、でも……」
「お車と徒歩、どちらになさいますか?」
「……できれば徒歩で」
「かしこまりました。私がご一緒いたします」
 自然な動作で手に持っていたお菓子を取られた。
 エントランスを通るときには、コンシェルジュが四人並んでいて、一人ひとりにプレゼントのお礼を言われ、「いってらっしゃいませ」と見送られた。