好き、と書けるほど丈夫な心臓は持っていないし、ただでさえ、マフラーを使ってもらえるか不安で不安で仕方がないというのに……。
「あ……マフラーはいつ渡そう?」
 嵐子先輩たちと一緒にお菓子は渡せても、マフラーをひとりだけに渡すのは抵抗がある。
 冷やかされるのも嫌だし、「何?」とその場で見られることにも抵抗がある。
「……やっぱりマフラーは真白さん経由で渡してもらおうかな」
 最終的にどうするかは決められないまま、包みひとつひとつにマスキングテープでメッセージカードを貼り付けていった。