メッセージカードを前になんと書いたらいいのかわからなくなり、「いつもありがとう」と記したあと、急いでもう一言書き足した。
「携帯ホルダーのストラップ、とても重宝しています。マフラーはそのお礼です」。
 これならマフラーをプレゼントする口実になるような気がしたから。
 一仕事を追え、伸びをしてから薬を飲みベッドに入った。


 * * *


 朝食を食べたあとはメッセージカードに取り掛かる。そして九時少し前に家を出て一階の調理室へ向かった。
「おはようございます」
 カウンターに立っていた崎本さんに声をかけると、
「奥で七倉が待っています」
 促されるように調理室に入ると、すでに調理台に生地たちがスタンバイしていた。