「翠葉、大丈夫か?」
「うん、ズキズキするけど平気」
「で? 唯は許してもらえたのか?」
「いんや、まだ……」
 唯兄の答えに、蒼兄と湊先生が顔を見合わせる。
「許してもらってもいないのに、なんでこんな和やかな雰囲気なのよ」
「リィ効果、かなぁ……? 謝ったら許さないって言われたから、それでかまわないって言ったら、それは謝るって行為に反するって怒られた」
「なるほど」
 湊先生は私を見て笑みを深めた。
「で? どうしたら許してくれるって?」
 引き続き湊先生が面白そうに訊くと、
「許すまで一緒にいろだって。……ってことで、湊さんと蔵元さんが俺を見張る必要はなくなったから。帰っていいですよ?」
 唯兄はケロっとした顔で言った。
「了解。じゃ、私は帰るわ。蔵元にも伝えとく」
 そう言うと、湊先生は私の脈を見にベッド脇にやってきた。
「安定してるわね。早く寝ろとは言わないけど、明日も学校があるんだから考慮するように」
 そう言うと、ゲストルームを出ていった。