今度出迎えてくれたのは高崎さん。
「リィがお世話になりっぱなしですみません」
 唯兄が頭を下げると、
「とんでもない。うちはいつでも大歓迎」
 高崎さんは砕けた調子で請合ってくれる。
「でも、何分退院してからまだ半月と経っていないので、できればあまり立ち作業はさせたくなくて……」
 すると奥から七倉さんが出てきた。
「大丈夫ですよ。キッチンチェアーをご用意してあります」
「本当に何から何までスミマセン……」
 私は唯兄と一緒に頭を下げた。
「そちら、ラッピング用品でしたらこちらでお預かりいたします。切り分け作業も調理室でやることになりますので、そのほうがよろしいかと……」
「あ、じゃ、お願いします」
 ラッピング用品が唯兄の手から七倉さんの手へと渡り、唯兄とはその場で別れた。