「喜ぶんじゃない? 反応は薄いかもしれないけど」
「そうかな……。使ってくれるかな?」
「使わなかったら俺が死刑宣告してあげる」
 それなら――と唯兄が手にした毛糸を十個カゴに入れた。
「えぇっ!? もしかして俺と同じ色?」
「……だめ?」
「むむむ……耐えましょう、耐えますともっ。司っち、使わなかったらマジ絞め殺すっ」
 若干物騒な物言いをしつつ、会計をして手芸用品店をあとにした。
 毛糸はかさばるものの重くはないので、唯兄と私は片手に紙袋を下げ、手をつないで歩いていた。
「次は?」
「ラッピング用品を買いたいの。駅ビルならどこかにそういうショップがあるんじゃないかと思って……」
「あぁ……それならこのシーズン、どこに行っても売ってるよ」
 駅ビルの中を数分歩けば開けたスペースに催事よろしくショップが連なっていた。