「そのふたつで悩んでいるの?」
「そう。リィはもう決まったの?」
 カゴの中を見られ、「うん」と答える。
「こっちのブルーのが蒼兄ので、紫のがお父さん。どうかな?」
「似合うと思うけど……司っちのは?」
「え……?」
「え? って、司っちにだってあげるんでしょ?」
「うん、お菓子はあげるけど……」
「マフラーはっ!?」
「えっ!?」
 訊かれて驚く。でも、唯兄は私の返答に驚いていた。
「ツカサにもあげるものなの?」
「逆っ、普通逆でしょっ!?」
「そう、なの……?」
「ああああ、もうこの子はっ! ほら、司っちの選ぶよっ」
 カゴを取られ、毛糸がずらりと並ぶ什器の森に引き戻される。