「やっとわかったか……。あんた、世間知らずのお姫様って言葉がぴったりだよなぁ?」
すごく嫌みったらしい笑みを浮かべて口にする。
こんなに柄悪く笑う唯兄は見たことがなかった。
でも、ここで引き下がるのは嫌――。
「大丈夫だもの……。だって、唯兄はお兄ちゃんだものっ」
「……バーカ。俺らは血ぃつながってないし、そもそもごっご遊びだろ?」
柄悪いし悔しいし、私、どうしたらいいんだろう……。
一生懸命呼吸を整え感情を抑えるけれど、ちょっと我慢できそうになかった。
「……唯兄のバカっ。ごっこ遊びでも、唯兄って呼ぶの勇気いったんだからっ。それに、今は本当に頼りにしているお兄ちゃんなんだからねっ!? それにそんなにバカバカ言わないでっ。私、これでも学年で三位なんだからっ」
一気に喋ったら息が切れた。
唯兄は私を見て唖然としていた。
「……唯兄にとってはただのごっこ遊びだったの?」
私にとっては違ったよ。ちゃんとリハビリの一環になっていたと思う。
蒼兄以外の人に頼るなんて、今まで本当にできなかったんだもの。
海斗くんや桃華さんたちにだってまだ遠慮が入ってしまう。司先輩は頼る前に支えられる感じで、自分から……というのとはちょっと違う。
でもね、唯兄には普通に頼ることができたんだよ。
ドアに寄りかかっていた唯兄は、ズルズルと背を滑らせてフローリングにしゃがみこんだ。
すごく嫌みったらしい笑みを浮かべて口にする。
こんなに柄悪く笑う唯兄は見たことがなかった。
でも、ここで引き下がるのは嫌――。
「大丈夫だもの……。だって、唯兄はお兄ちゃんだものっ」
「……バーカ。俺らは血ぃつながってないし、そもそもごっご遊びだろ?」
柄悪いし悔しいし、私、どうしたらいいんだろう……。
一生懸命呼吸を整え感情を抑えるけれど、ちょっと我慢できそうになかった。
「……唯兄のバカっ。ごっこ遊びでも、唯兄って呼ぶの勇気いったんだからっ。それに、今は本当に頼りにしているお兄ちゃんなんだからねっ!? それにそんなにバカバカ言わないでっ。私、これでも学年で三位なんだからっ」
一気に喋ったら息が切れた。
唯兄は私を見て唖然としていた。
「……唯兄にとってはただのごっこ遊びだったの?」
私にとっては違ったよ。ちゃんとリハビリの一環になっていたと思う。
蒼兄以外の人に頼るなんて、今まで本当にできなかったんだもの。
海斗くんや桃華さんたちにだってまだ遠慮が入ってしまう。司先輩は頼る前に支えられる感じで、自分から……というのとはちょっと違う。
でもね、唯兄には普通に頼ることができたんだよ。
ドアに寄りかかっていた唯兄は、ズルズルと背を滑らせてフローリングにしゃがみこんだ。


