光のもとでⅠ

「笹野くんも大変ね?」
 加藤さんに同情の笑みを返された。
「幼稚部から一緒ですから慣れっ子ですよ」

 ――とは言ったものの、全然慣れてねえええっ。
 これは司と仲良くなるための一手段だったわけだけど、こんなの慣れるわけがねぇ……。
「ゆんゆんっっっ」
 濁音交じりの声で泣きつく俺に、
「よしよし、惨めな思いをしたんだな」
 頭を撫でてくれるゆんゆんは優しい。優しいがっ――くっそ~……よしよしされるのも嬉しくないぞっ。
 ゆんゆん百八十二センチ、司百七十八センチ、俺、百七十五っ。
 悔しいけど、バスケやってても身長伸びなかったよなぁ……。やっぱこれって遺伝子? 父ちゃん、百七十八センチなんだよね。俺もあと少しくらいは伸びるかなぁ?