「人の気持ちだからね、受け取ってあげたらどうかしら?」
「それは個人の自由だと思います」
 こうなると堂々巡りでもうダメなんだ。ついには
「だいたいにして、この分量をどうしろと?」
 司の反撃が始まる。
「下駄箱に食べ物を入れる神経がわかりません。人のロッカーを勝手に開けるような不躾な人間から、なぜものを受け取らなくてはいけないんですか? ロッカーに入れてあった体操着を出してまで入れていく人間の気が知れない。これらを持ち帰ったところで自分が食べるわけでもないのにどう消費するのか。始めから捨てるつもりなら受け取らなければいいと思います」
 実際にそう言える分量なのだから、先生も口を噤む。
 ならさ、そこでやめておけばよかったんだ……。けど、先生はおばさんに連絡をして取りにこさせた。