光のもとでⅠ

 司はそれの一番上の欄だけにフルネームを記入し、あとは同じく記号(〃)を下段にどんどん記していく。
 その光景を俺は見慣れているものの、初めてお目にかかった加藤さんは唖然としていた。たぶん、全部の欄に名前を書いて、それをコピーしてくれと言われたと思ったのだろう。
 甘いっ……うちの司はそんな面倒なこと絶対しねぇっ。
 こうやって事務室に届けてるだけまだいい方だ。
 幼稚部のときはもらう量が多すぎて、先生側で一時保管。お迎えに来たおばさんがそれらを受け取って帰る、という具合だった。
 そんな昔を思い浮かべ、あの頃が一番平和だった、としみじみ思う。
 ただ、幼稚部なんて場所であの分量……ちょっと異常、かなり異常。たぶん、そこには「藤宮の人間と仲良くしなさい」という親たちからの差し金チョコもあったと思う。
 今も本命の中にはそういうのが紛れてるんだろうな。