光のもとでⅠ

「大当たりっ!」
「で……それが何? 今、落し物って聞こえた気がするんだけど……」
 間違ってないよっ! あってるあってる……。
 これらは事務室を介して、すべて遺失物として持ち主に返される。つまりは返却だ、へーんーきゃーくっっっ。
 司は毎年こうやってチョコを事務室に持っていく。そして俺はそれに毎年つき合っている。
「なんで落し物?」
 ゆんゆんが司に訊く。
 ゆんゆんは生徒会で司と一緒だから、俺や朝陽と同じくらいには会話ができる稀有な人。
「机の上に置いてあったから。それから下駄箱にも」
 司は表情を変えずに答えた。
「それって、司にもらってほしいってことでしょ?」
 ゆんゆん……一年近く司見てきたんだからそろそろ学んどこ。