光のもとでⅠ

 肩から身まで震わせ、その振動が手に持っているコーヒーカップの液体にまで伝わっている状況が最悪。
 でも、御園生さんの言うとおりだ。
 机の中や上に置かれると、教科書も入れられない広げられないで、邪魔以外の何ものでもない。
「下駄箱にあったものは放置してたんですけど……。放置しててもなくなってはくれないので、今はそれも机に置かれてたものも、すべて落し物として事務室に届けます」
「くっ、バレンタインのチョコを事務室に落し物として届けてるやつ初めて見たっ! でもさ、それって『司くんへ』とか書かれてるから、全部戻ってくるんじゃない?」
「まさか……俺は受け取ったわけではないので、それらの持ち主は差出人ですよ」
「あははっ、すごい考え。何それ、そのまま事務員の人に言ったりしたの?」
「えぇ。自分に非はありません。ただ、置いてあっただけで俺の所有物ではない。そう説明したら受け取ってもらえました。もちろん拾い主として名前の記帳もしましたよ」