「あの……」
「ん?」
「香水ってどこにつけるんですか?」
「あ……そっか」
 水島さんが口元に手を当て、「迂闊だったわ」と口にする。
「香水は基本的にアルコールが成分に含まれるから、翠葉ちゃんは直につけらんないわね」
 水島さんの話だと、香水は手首や耳の裏、足首などにつけるのが一般的だと言う。けれど、アルコール不耐症の私は消毒薬ですらかぶれてしまうので、その使い方はできない。
「肌には直接つけられないから髪の毛や衣類、タオルなんかに吹きかけて使うといいわ。あとは室内に二、三プッシュしてルームフレグランスみたいに楽しむ方法もあるわね」
 そんな話をしてると、
「俺もプレゼントとは言いがたいんだけど……」
 楓先生は手に持っていた茶色い手提げ袋を膝の上に乗せてくれた。