「じゃ、あとで朝食持ってくるわね」
水島さんは来たときと同様、カートを押して病室を出ていった。
水島さんはほかの看護師さんと比べると、ざっくばらんでこちらをうかがって話しかけてくるタイプではない。その「感じ」が新鮮で心地よくて……好きだな、と思った。
四角い部屋に四角いベッド。部屋にあるもの全てが四角い。極めつけは、四角い窓から見える、四角い景色。
病室は床とカーテンだけが薄いグリーンで、ほかは全部白。
「白」という色が嫌いなわけではないけれど、最近は好きな色から外れてしまいそうな存在だった。
ゆっくりと身体を起こし、ベッドを下りる。ベッドから三歩で窓際。
個室だからほかの患者さんの気配もなければ声も聞こえない。廊下から看護師さんの声や、起きだした患者さんがスリッパを引き摺って歩く音がするくらい。
目が覚めた時間よりも、少しだけ時間が進んだ証拠のような音たち。
窓からは中庭が見下ろせる。見渡せるというよりも、見下ろせる――そんな感じ。
水島さんは来たときと同様、カートを押して病室を出ていった。
水島さんはほかの看護師さんと比べると、ざっくばらんでこちらをうかがって話しかけてくるタイプではない。その「感じ」が新鮮で心地よくて……好きだな、と思った。
四角い部屋に四角いベッド。部屋にあるもの全てが四角い。極めつけは、四角い窓から見える、四角い景色。
病室は床とカーテンだけが薄いグリーンで、ほかは全部白。
「白」という色が嫌いなわけではないけれど、最近は好きな色から外れてしまいそうな存在だった。
ゆっくりと身体を起こし、ベッドを下りる。ベッドから三歩で窓際。
個室だからほかの患者さんの気配もなければ声も聞こえない。廊下から看護師さんの声や、起きだした患者さんがスリッパを引き摺って歩く音がするくらい。
目が覚めた時間よりも、少しだけ時間が進んだ証拠のような音たち。
窓からは中庭が見下ろせる。見渡せるというよりも、見下ろせる――そんな感じ。


