梅香館の一角、人気の少ない場所で設計図を描いていると、
「蒼樹?」
声をかけてきたのは秋斗先輩だった。
「秋斗先輩がここに顔を出すなんて珍しいですね」
「誰かさんがめっきり顔を出さなくなったから自分で来るしかなくてね」
にこやかに話すものの、その誰かさんが自分を指していることは明白だった。
先輩は設計図を覗き込み、
「気が早いっていうか、早速取り掛かってくれてるんだ?」
「は?」
「それ、仕事部屋の設計じゃないの?」
そこまで言われて思い出す。
確か数日前に、「蒼樹のデザインを起用してあげる」とかなんとか言っていた気がする。
あれ、本気だったのか?
すでに五年以上の付き合いになるものの、いまいち本気と冗談の違いがわからない。
「蒼樹?」
声をかけてきたのは秋斗先輩だった。
「秋斗先輩がここに顔を出すなんて珍しいですね」
「誰かさんがめっきり顔を出さなくなったから自分で来るしかなくてね」
にこやかに話すものの、その誰かさんが自分を指していることは明白だった。
先輩は設計図を覗き込み、
「気が早いっていうか、早速取り掛かってくれてるんだ?」
「は?」
「それ、仕事部屋の設計じゃないの?」
そこまで言われて思い出す。
確か数日前に、「蒼樹のデザインを起用してあげる」とかなんとか言っていた気がする。
あれ、本気だったのか?
すでに五年以上の付き合いになるものの、いまいち本気と冗談の違いがわからない。