処置室が急に騒がしくなり、身体中の血がざわめく。
「VFっ」
「二百ジュールチャージっ」
 救急隊の人が反射的に顔を上げた。
「チャージできましたっ」
「離れてっ」
 声が次々と聞こえてきて、ただならぬ雰囲気に息を呑む。
 俺は恐る恐る尋ねる。
「チャージって……?」
「……除細動器。電気刺激だ」
 救急隊の人は真っ直ぐ俺の目を見てそう言った。
「それって……心臓に電気を流すものですよね? なんで……先月検査入院したときは心臓は大丈夫って言ってたのに」
 ゆるゆると席を立ち上がると、救急隊の人に肩を抱かれた。