はっとする。私道入り口には警備員の詰め所がある。そこかっ!?
最短ルートで桜香苑と梅香苑を突っ切り、カフェテラスの脇を通り抜けると、五十メートルほど先に翠らしき人影が見えた。
いた――。
なんで風除けも何もないところに突っ立ってるんだっ……。
早足のまま翠のもとまで行く。
寒さからか、翠は唇を震わせながら何かを話そうとしていた。
「何……」
「話、する時間、もらえる?」
言葉も短く区切りながら話す。どこかあたたまる場所に移動させたくて、
「……かまわない。……カフェでも入るか」
今しがた通り過ぎてきたカフェに向かって歩き始めると、クン、と後ろに引張られた。振り返ると、翠が俺のコートの袖を掴んでいた。
最短ルートで桜香苑と梅香苑を突っ切り、カフェテラスの脇を通り抜けると、五十メートルほど先に翠らしき人影が見えた。
いた――。
なんで風除けも何もないところに突っ立ってるんだっ……。
早足のまま翠のもとまで行く。
寒さからか、翠は唇を震わせながら何かを話そうとしていた。
「何……」
「話、する時間、もらえる?」
言葉も短く区切りながら話す。どこかあたたまる場所に移動させたくて、
「……かまわない。……カフェでも入るか」
今しがた通り過ぎてきたカフェに向かって歩き始めると、クン、と後ろに引張られた。振り返ると、翠が俺のコートの袖を掴んでいた。


