一月末日、予定通り翠葉は退院した。そして、その翌日から登校するという。
家での生活に慣れるまで二、三日休んだらどうかと話したけれど、翠葉は頑なにそれを拒んだ。
結果、家族はハラハラしながら、無理はしないようにと押せるだけの念を押した。
せめて車で送らせてほしい、というのが俺のお願いだったわけだけど、それも却下されてしまった。
「本当に大丈夫なのか?」
マンションから出たところは下り坂だが、学園私道に入れば緩やかながらも上り坂に転じる。
「大丈夫だよ。時間も余裕を持って出てきているし」
そうは言うものの、翠葉の吐き出す息はしだいに増えていく。
そう何度も言うものじゃない、とわかっていつつも口をつく言葉は――。
「大丈夫か?」
学園私道に入ってしばらくすると肩で息をし始めた。
これで大丈夫って言われたらかなり落ち込む。
「ちょっと、きつい、かな……」
その言葉に心底ほっとした。
「やっぱり、明日からはしばらく車で――」
家での生活に慣れるまで二、三日休んだらどうかと話したけれど、翠葉は頑なにそれを拒んだ。
結果、家族はハラハラしながら、無理はしないようにと押せるだけの念を押した。
せめて車で送らせてほしい、というのが俺のお願いだったわけだけど、それも却下されてしまった。
「本当に大丈夫なのか?」
マンションから出たところは下り坂だが、学園私道に入れば緩やかながらも上り坂に転じる。
「大丈夫だよ。時間も余裕を持って出てきているし」
そうは言うものの、翠葉の吐き出す息はしだいに増えていく。
そう何度も言うものじゃない、とわかっていつつも口をつく言葉は――。
「大丈夫か?」
学園私道に入ってしばらくすると肩で息をし始めた。
これで大丈夫って言われたらかなり落ち込む。
「ちょっと、きつい、かな……」
その言葉に心底ほっとした。
「やっぱり、明日からはしばらく車で――」