ブリーフケースを持ち立ち上がる。と、
「秋兄……」
 一際強い視線に捕まった。
「……帰ってくるよね」
 もう帰ってこない理由はないはず、と言わんばかりの目。
 不器用で無愛想。でも、誰よりも俺を理解している司に笑みが漏れる。
「帰ってくる。ちゃんと、二週間後に」
「……ならいい」
 そっぽを向く司の肩を強引に組んだのは唯。
「んじゃ、みんなで秋斗さんのお見送りとまいりましょー!」
 俺は四人に見送られて日本を発った。