光のもとでⅠ

 それがひどく嬉しくて、
「俺は君から離れるつもりも諦めるつもりも毛頭ないんだ」
 彼女は目を見開き、少し口を開けて驚いた顔をしていた。
 そして、今このとき気づいた。
 最初からそう話していれば、彼女はこんなにも悩み苦しむことはなかったのか、と。
 でも、ごめん。今気づいたんだ。俺も恋愛初心者だから……。
「意外? 残念? 困る?」
 彼女は首を左右に振って否定する。
 そんなふうに言っていいのかな? 困ると言わなかったのは君だからね?
「本当? じゃぁ、キスしてもいい?」
 顔を近づけて訊くと、
「それはだめっ」
 彼女はすぐに飛びのき、一歩半離れたところで宙を見たまま倒れた。