じゃぁ空港のことは唯に丸投げで……。残りは両親か。
 ま、そこも司がクリアしてくれてるわけだけど……。
「そうだな……でも、両親の説得も翠葉がしてごらん。俺たちもフォローはするけど、まずは自分で話してごらん」
 翠葉は不安そうに「うん」と頷いた。
 成長期の娘を見守る親の心境ってこんな感じかな。
 俺、翠葉がお嫁に行くとなったら父さんよりも小舅ぶりを発揮できそうだ……。
「じゃ、碧さんと零樹さん連れてくる」
 唯が席を外し、俺と翠葉だけがディスプレイ越しに面していた。
「翠葉……がんばってるな」
 正直な感想だった。
 俺のがんばりなんて、翠葉に比べたらほんのちっぽけなものなんじゃないかと思えるくらいには。