光のもとでⅠ

「そういう意味じゃないんだけど……でも、御園生はいつだって自分に厳しく接する人間ばかりを慕うだろ?」
『……そう?』
 あら、本人は自覚なしですか。でも――。
「うん。これには自信ある。もし、自分を甘やかす人を好きになるなら、先輩じゃなくて秋斗先生だったと思わん?」
『……佐野くん、私……秋斗さんのこと好きだったよね』
「それ、どんな質問?」
『あ……ごめん』
「いや、いいんだけど……」
 そっか……そこで躓いてたんだ、と今になって気づく。
「ま、言わんとすることはわからなくはない。順番から言うなら、藤宮先輩秋斗先生藤宮先輩じゃない? 俺、四月の球技大会の時点では御園生の好きな人は先輩だと思ってた。でも、秋斗先生のことで赤面してる御園生は確かに恋してるように見えたよ。だから、自分の気持ちを疑わなくていいと思う」