「先輩、向き合うんじゃなくて、隣に座ってくれたほうがやりやすいの」
言うと、私の右隣に腰掛けた。
マッサージを始めると、
「翠はツボを知っているのか?」
「……申し訳ないくらい何も知りません」
「そこは合谷(ごうこく)。全身における万能ツボって言われているポイント」
私の手が移動すると、
「そこは労宮(ろうきゅう)、ストレスや自律神経に効くツボ」
先輩は本当に物知りだ。そんな意味をこめて先輩を見ると、
「本当に知らないのか?」
知らないものは知らない……。
コクリと頷くと、呆れたような顔をして「信じられない」と言われた。
「やっぱり素人のマッサージは危険?」
掴んでいた先輩の手を放すと、
「そうじゃない。手の平から肘下にかけて、翠が押すポイントやさするラインは東洋医学に順ずるものだ。これ、誰かに教わった?」
「ピアノの先生……」
「じゃ、その人はちゃんと知識があったんだろうな。つまりはそういうこと……。知っててやってるのかと思うほど、ツボが的確に押されてる」
「……本当?」
「こんなことで嘘はつかない。これ、やってもらうとかなり楽」
「……良かった」
「――そろそろご飯じゃない?」
「あれ? 誰かの声聞こえましたか?」
「いや……そんな気がしただけ。ちょっと見てくる」
そう言うと、司先輩は部屋から出ていってしまった。
「……マッサージ途中だったのに」
言うと、私の右隣に腰掛けた。
マッサージを始めると、
「翠はツボを知っているのか?」
「……申し訳ないくらい何も知りません」
「そこは合谷(ごうこく)。全身における万能ツボって言われているポイント」
私の手が移動すると、
「そこは労宮(ろうきゅう)、ストレスや自律神経に効くツボ」
先輩は本当に物知りだ。そんな意味をこめて先輩を見ると、
「本当に知らないのか?」
知らないものは知らない……。
コクリと頷くと、呆れたような顔をして「信じられない」と言われた。
「やっぱり素人のマッサージは危険?」
掴んでいた先輩の手を放すと、
「そうじゃない。手の平から肘下にかけて、翠が押すポイントやさするラインは東洋医学に順ずるものだ。これ、誰かに教わった?」
「ピアノの先生……」
「じゃ、その人はちゃんと知識があったんだろうな。つまりはそういうこと……。知っててやってるのかと思うほど、ツボが的確に押されてる」
「……本当?」
「こんなことで嘘はつかない。これ、やってもらうとかなり楽」
「……良かった」
「――そろそろご飯じゃない?」
「あれ? 誰かの声聞こえましたか?」
「いや……そんな気がしただけ。ちょっと見てくる」
そう言うと、司先輩は部屋から出ていってしまった。
「……マッサージ途中だったのに」


