ぼんやりと思う。じーさんはそれを知っていて俺を呼んだのかな、と。
「うちの愚弟はそれなりに行動してるみたいだけど、あんたは?」
「あれ? わが従弟殿は何をするつもり?」
「翠葉の補習のセンセ」
「……それはそれは出し抜かれた感満載で」
「知ってて見過ごすあんたでもないでしょ?」
「まぁね。悪い、ちょっと電話二本入れさせて」
「かまわないわ」
 俺はすぐに高校長と学園長に連絡を入れ、司のあとを追うようにして補習の指導権を獲得した。
 ソファに座り、なんとなしに天井を見る。
「そろそろ仕掛けるかなぁ……」
「何を?」
「まぁ、色々と」