昼になると湊ちゃんがやってきた。
「はい、お弁当」
 ずい、と手作り弁当らしき包みを差し出される。
「どうしたの?」
「ここで食べようと思って」
「や、違うって。コレ、どうしたの? 真白さんが作ったの?」
「私だってお弁当くらい作れるわよっ」
「珍しい……」
「……いらないんだったら食べなくて結構」
 取り上げられそうになったお弁当を寸でのところで死守した。
 ……あれかな? 静さんに愛妻弁当持たせてたりするのかな?
「で? まさかとは思うけど、ランチしにきただけ、じゃないよね?」
「朗報よ、朗報」
 ローテーブルに弁当を置き、ソファに腰掛けると湊ちゃんが言った。
 彼女に面会できるようになった、と。