仕事のペース配分を考えて規則正しい生活をするようになったのはリィと出逢ってから。リィたちに出逢わなければ見ることも知ることもできない風景や感情があったと思う。
「俺、何気にいい星の下に生まれたのかな?」
 両親と妹を失くしてる人間の言う言葉じゃないかもしれない。それでも全部が全部不幸とは言いがたい。
 ゴロンと転がり天井を見上げると、実に冬らしい寒そうな空が広がっていた。
「寒いのは嫌いだけど……。でも、リィと散歩に行くのはありかな?」
 ドライブに連れて行ったら喜ぶだろうか。
「よし、リィの喜びそうなところを探すとしますかね」
 再度パソコンに向かい、冬でも花の咲いているところはないかとリサーチリサーチ。
 十五分ほどすると、今までとは違うアラートが鳴り始めた。