「秋斗と司が行ったら出てくるものも出てこないよ」
「俺らが行って連れて来るから、司と秋兄はちょっと待ってなって」
適材適所――そんな言葉が思い浮かぶ。
俺はそれを受け入れられる人間だけど、秋兄はこういうの嫌なんじゃ……。
そう思ってちらりと隣を見たけれど、「頼む」の一言だった。
俺の視線に気づいたのか、
「手堅く行くならこれが最善、だろ?」
「なるほど……」
何がなんでも出てきてもらう。そのために引いただけ。
中庭に出て椅子に腰を下ろし、コーヒーカップに手を伸ばす。と、
「あんたたち、大丈夫なの? 楓と海斗に丸め込まれるなんて」
ドレスの上に毛皮のコートを羽織った姉さんが中庭を闊歩する。
「俺らが行って連れて来るから、司と秋兄はちょっと待ってなって」
適材適所――そんな言葉が思い浮かぶ。
俺はそれを受け入れられる人間だけど、秋兄はこういうの嫌なんじゃ……。
そう思ってちらりと隣を見たけれど、「頼む」の一言だった。
俺の視線に気づいたのか、
「手堅く行くならこれが最善、だろ?」
「なるほど……」
何がなんでも出てきてもらう。そのために引いただけ。
中庭に出て椅子に腰を下ろし、コーヒーカップに手を伸ばす。と、
「あんたたち、大丈夫なの? 楓と海斗に丸め込まれるなんて」
ドレスの上に毛皮のコートを羽織った姉さんが中庭を闊歩する。


