苦笑交じりに答えると、
「それで、周りから固めようって魂胆だったわけね」
「それはもちろん、ここぞとばかりに手堅くね……」
 俺は口を挟むことなくそれらの会話を聞いていた。
「結果としてお茶会が行われればいいわけでしょ」
「まぁね」
「ただ、私と栞の意図はちょっと別にあるの。だから、あんたたちが考えているよりも大人数になるわ」
「どういうこと?」
 秋兄が訊くと、
「翠葉、記憶が戻ったときになんて言ったと思う? あの子……しきりに秋斗のこと気にしてたのよ。私たちが秋斗に不信感を抱いてないか、その一点のみを心配してた」
 あぁ、と思った。実に翠らしい気の回しようだな、と。