俺の手をガイドに――意識せず、身を委ねてもらえた気がして、そんなことがひどく嬉しく思えた。
「俺はこのままでもいいんだけどね」
 少しの本音を漏らせば、
「すみません……もう、ひとりで歩けます」
 遠慮気味に拒絶されてしまう。でも――。
「あと少し……。テーブルまではこのままで」
 君が司を選ぶまでは、このままで――。