結婚式の朝、式に着るスーツとは別のスーツを着て部屋を出る。
「秋兄、どこ行くの? レストランこっち」
 海斗と楓が不思議そうな顔をして俺たちを見ていた。
「いや、こっちでいいんだ。俺と司、翠葉ちゃんを迎えに行くから」
「ようやく始動?」
 楓に声をかけられる。
「どうかな?」
 曖昧な返事をして、隣のゲストルームへ向かった。
 回廊で翠葉ちゃんが出てくるのを待っていると、五分と経たずに蒼樹たちが出てきた。
「あれ? 秋斗先輩……」
「おはよう」
「はっは~ん。リィのお出迎えってやつですね? ちょうどいい感じですよ」
 唯は意味深なことを口にしては、ゲストルームのドアに視線をやる。
 俺と司は碧さんと挨拶を交わし、最後のふたり、零樹さんと翠葉ちゃんが出てくるのを待った。