光のもとでⅠ

「翠葉……話そうとしてもっと苦しくなるなら言わなくていい。話したら楽になるとは限らないから。話せるようになったらでもかまわないよ。苦しくてどうにもならないとき、絶対そこに俺たちはいるから」
 唯がいなければこの会話は成り立たない。
 翠葉は目に涙を溜めていた。
「蒼兄……私、そういう優しさに甘えて、甘えすぎて……友達なくしちゃったかもしれない」
 やっとの思いで言葉を発すると、翠葉は俯いてしまった。顔は見えないものの、翠葉の足元、コンクリートが泣いていることを教えてくれる。
 それを見ていると、唯の視線が自分に向いていることに気づく。目が合うと、「どうにかしてよ」と視線のみで要求された。
 そうだな……。言うならこのタイミングだな。
 俺はすっと息を吸い込み、切り札を切ることにした。
「……翠葉。桃華と佐野くんから伝言がある」
 驚いたのか、つながれた手から振動が伝わった。