きっと、ある程度は佐野くんと決めた文言なのだろう。
「誤解しようのない言葉だね」
『えぇ……。あの子、たまにあり得ない勘違いするから……。あえて絶対に勘違いしないような言葉を選びました』
「助かるよ」
 言いながら思わず笑みが零れる。
『もう……蒼樹さんひどいです』
「ごめんごめん。……でも、本当にありがとう。翠葉の友達に桃華や佐野くんみたいな子がいてくれて嬉しいよ」
『私は……翠葉のお兄さんが蒼樹さんで良かったです。蒼樹さんじゃなかったらこんなこと頼めなかったし、フォローもお願いできませんでしたから……』
 話はそれだけだったようで、この内容が終わるとそそくさと切られそうになった。