左手に力をこめると、
「……大、好き……。唯兄も蒼兄も……大好きっ」
 自分が握りしめた以上の力で左手を握り返された。
 俺、やっぱ、今幸せだと思うよ。虚勢でもなんでもなく、本当に――。