気づくよ、そのくらいのことなら言われなくても。
「メリットデメリットってなんにでもあるよね。通学が楽になっても毎日の日課ができないとか」
「でも……身体を起こしてリビングまで行けば空は見ることができたよ」
「けど、ここから見える風景と九階の窓から見える風景は全然別物でしょ?」
 腕時計を見ると、ちょうど二十分経ったところだった。
「うっし、二十分経ったから行こうっ!」